【自動車税の納付期限と滞納の影響】
自動車税の納付期限が過ぎたらどうなるのでしょうか。自動車税は、毎年4月1日時点でクルマを所有している人に課税される地方税です。納付期限は、一般的には5月31日までとなっています。しかし、忙しさや忘れてしまったなどの理由で、期限までに納付できなかった場合は、どのような影響があるのでしょうか。
【延滞金の発生と督促状の送付】
まず、納付期限を過ぎてもすぐに納付すれば、延滞金は発生しません。しかし、納付期限から20日経過すると、督促状が送られてきます。督促状には、延滞金が加算された額が記載されています。延滞金は、納付期限の翌日から実際に納付した日までの日数に応じて計算されます。2023年12月31日までの期間は、納期限の翌日から1か月を経過する日までの期間(31日間)は2.4%、1か月を経過した以降の期間は8.7%となっています。(ただし、未納している税金が2000円未満又は、延滞金が1,000円未満の場合は延滞金は課されません。)
延滞金の計算式
自動車税(延滞している金額は50,000円とします)を12月25日に納付した場合の延滞金を計算してみます:
- 納期限の翌日から1か月を経過する日までの期間の延滞金の金額:50,000円×2.4%×(30日÷365日)=98.6円
- 納期限の翌日から1か月を経過した日以降の期間の延滞金の金額:50,000円×8.7%×(178日÷365日)=2,121.3円
- ①と②の合計:98.6円+2,121.3円=2,219.9円
- ③を百円未満切り捨て:2,200円
以上より、この例の延滞金の金額は2,200円と計算できました。
【強制執行と車検の影響】
さらに、督促状に記載された期限までにも納付しない場合は、強制執行という手続きが行われます。強制執行とは、財産の差し押さえや売却などを行って税金を回収することです。強制執行が行われると、手数料や費用も発生します。また、自動車税を滞納している場合は、車検を受けることができません。車検を受けるためには、自動車税の納税証明書が必要ですが、滞納している場合は発行されません。そのため、クルマに乗れなくなってしまう可能性もあります。
【未納でも廃車は可能】
本年度分の自動車税が未納状態でも廃車手続きは可能です。未納状態で廃車手続きを完了させると、1~2ヵ月後に自動車税事務所から未納分の納付書が届きます。納付書を使って未納分の自動車税を支払うことできます。ただし、2年以上滞納すると自動車を差し押さえされることがあり、この状態になると税金を納付しないと廃車手続きができなくなります。
【納付忘れを防止する方法】
このように、自動車税の納付期限を過ぎると、延滞金や強制執行などのデメリットがあります。そのため、納付期限内に忘れずに支払うことが大切です。支払い忘れを防止するためには、納税通知書が届いたらクレジットカードや決済アプリを利用してすぐに支払うことや、口座振替の設定をすることが有効です。対応していない自治体もありますが、口座振替を設定すると、毎年決められた日に自動で引き落とされるため、納付を忘れる心配がありません。ただし、口座振替の設定には事前の手続きが必要です。今からでも来年以降のために手続きをしておくことをおすすめします。
(2023年6月1日公開、作成:三浦敏和)
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