よくある故障、セルモータとオルタネーター編

よくある故障、セルモータとオルタネーター編 自動車全般

廃車買取専門店(株)旭商会に入庫する廃車で、多いトラブルに「エンジンが回らない」「キーをひねっても(スタートボタンを押しても)反応がない」があります。エンジン本体に不具合が発生している場合もあるのですが、意外と多いのが「セルモーター」と「オルタネーター」の故障です。

最初にバッテリーを疑いましょう。

「セルモーター」「オルタネーター」ともに正常に機能するには、正常に充放電できるバッテリーが必要です。バッテリーが劣化していると「セルモーター」「オルタネーター」だけでなく色々な不具合がでるので、定期的なメンテナンスは必須です。スピードメーターのバッテリーランプが点灯していなくても定期的に交換することをお勧めします。

バッテリーについては「バッテリー(鉛蓄電池)のしくみ」で詳しく解説しています。

「セルモーター」故障

セルモーター(スターターモーター)とは、エンジンを始動するときに、エンジンが自力で回転を維持できる回転数まで上げる装置です。

スタートボタンを押したときに「キュンキュン」と音が鳴る部分がセルモーターで、通常は1秒以内(長期放置でも数秒)程度でエンジンが始動し、モーターは停止します。

セルモーターが故障する場合は、下記のような前兆があることが多いです。

  • 「ガラガラ」「ギャー」とギアがうまく嚙み合っていない音がする。これでも初期のうちはエンジンが始動します。
  • エンジンが始動した後も、少しの間「ギューン」と引きずったような音がする。
  • スタートボタンを押しても「カチン」と音がするがエンジンが回らない、ただ何度か繰り返すと普通に回る。

このような症状がでたら、できるだけ早く整備工場で点検をしましょう。放置するとエンジンが始動できなくなります。

整備工場に行く前に、エンジンが始動しなくなったら

弊社の引取担当は、応急処置として、ダメもとで試しています。

  • 応援のバッテリー(弊社の場合はブースターパック)を繋ぎます。(車のバッテリーの電気が残っていても瞬間最大電流を上げるために繋ぎます)
  • ミッションのシフトレバーをガチャガチャと何度も動かします。(振動でセルモーターの接点が微妙に変わります。)※ハイブリッドなど電気で切り替えるタイプは効果ありません。
  • 可能であれば、セルモーター本体を軽く叩きます。(振動で電気の接点を微妙にずらします)

※セルモーターの故障は、一度エンジンが始動してしまえば、次にエンジンを停止させるまで普通に使用できます。ただし、アイドリングストップ装備車は必ずOFFにしておきましょう。

オルタネーター(ダイナモ)の故障

オルタネーター(ダイナモ)とは、エンジンの回転を利用して発電し、バッテリーを充電する装置です。

オルタネーターが故障すると、発電量が不足してバッテリーを充分に充電することができなくなり、バッテリーあがりを起こします。多くの場合は、「バッテリーがあがったので新品と交換したが、また直ぐにあがってしまった」となります。

オルタネーターが故障すると、下記のような症状が発生します。

  • 走行中にエンジンが停止する。(信号待ちなどで多い)
  • 昨日は普通に走れたが、今朝突然エンジンがかからなくなった。(※バッテリー不良でも発生します)
  • エンジンの回転数が不安定(特に低回転のとき)。

※ エンジンをかけたときに「キュルキュル」と大きな音が鳴る場合は、オルタネーターのベルトが滑っている状態です。この症状の場合は、ベルトを新品に交換することで、ほとんどの場合は直ります。

オルタネーターが故障したら、危険なので自走しないで。

オルタネーターの故障は、エンジンが始動しても、走行中に電力が不足すると停止してしまいます。充分に充電したバッテリーを使用すれば少しは走行できますが、最近はエンジンが停止するとハンドルが回らなくなる車種もあり、とても危険なので近距離でも自走することはお勧めできません。

補修用部品は(株)旭商会で販売しています。

セルモーター・オルタネーターの純正新品部品は、車種によって変わりますが、とても高額になります。

廃車買取専門店(株)旭商会は、純正新品部品よりお買い得な、リサイクルパーツやリビルトパーツを販売しています。部品をお探しの場合は、車検証を用意してお問い合わせください。

自動車リサイクルパーツは京都の株式会社旭商会 (asahi-autoparts.com)

(2023年10月11日公開、作成:三浦敏和)

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