自動車を相続するための手続き

自動車を相続するための手続き 廃車

親族の方が亡くなられた場合、自動車を相続するためには、いくつかの手続きが必要です。この記事では、自動車の相続に関する基本的な知識と、必要な書類や手順について解説します。

自動車の相続とは

自動車の相続とは、亡くなった方が所有していた自動車を、その方の法定相続人や遺言によって指定された相続人に移転することです。自動車は登録制であり、所有者や住所などが変わった場合には、道路運送車両法において、新しい所有者は、その事由があった日から15日以内に、移転登録の申請をしなければなりません。

自動車の相続の手順

自動車の相続の手順は、大きく分けて以下の4つです。

  1. 自動車の所有者を確認する
    まず、自動車検査証(車検証)で所有者を確認します。ローンで購入した場合やカーリースを利用していた場合は、「所有者欄」が信販会社・ディーラー・リース会社などになっている場合があります。この場合は、相続の対象にならないので所有者の指示に従って手続きをしてください。
  2. 相続開始時点での自動車の所有者を確定する
    次に、相続開始時点での自動車所有者を確定するためには、法定相続人や遺言による相続人を特定し、必要ならば相続放棄や遺留分減殺などの手続きを行います。また、相続税が課税される場合には、納税義務者と納税額を確定し、納税証明書を取得します。
  3. 相続人で協議して、自動車の取得者を決定又は自動車を分割する割合を決める
    次に、相続人の間で、協議分割や調停分割などの方法で、自動車の取得者とその割合を決めます。もし、協議がまとまらない場合や紛争が起こる場合には、裁判所に対して調停や審判を申し立てることもできます。また、分割後に自動車を譲渡する場合には、譲渡証明書を作成し、受け取り側が署名捺印します。
  4. 自動車登録情報を変更する
    最後に、自動車登録を変更するためには、上記で挙げた相続を証明する書類とともに、運輸支局などに届け出ます。また、自動車の所有者や住所が変わった場合には、自動車保険などの手続きも忘れずに行いましょう。

相続による移転登録に必要な書類

普通自動車の相続

  • 自動車検査証(車検証)
  • 自動車税納税証明書
  • 相続人の印鑑証明書
  • 死亡した所有者と相続人全員が確認できる戸籍謄本又は戸籍の全部事項証明書(相続人が全て確認できるまで遡ります、状況により他の書類が必要になる場合もあります)
  • 相続税納税証明書(相続税が課税される場合)
  • 相続を証明する書類
    • 遺産分割協議書(協議により決定した場合・相続人全員の実印を押印)
    • 遺言書(検認済みのもの)(遺言によって相続人が指定されている場合)
    • 調停調書(家庭裁判所において調停での話し合いで合意した内容を記載した公文書)
    • 審判書(裁判官によって遺産分割の配分を決定する遺産分割審判を記載した公文書)
    • 判決謄本(裁判により決定した場合)
  • 委任状(代理人が申請する場合必要・相続人の実印を押印)
  • 新使用者の住民票と委任状(新所有者と異なる場合)
  • 車庫証明(死亡された方が使用していた車庫をそのまま使用する場合は不要)
  • 相続する自動車(陸運支局の管轄が変わる場合は、ナンバープレートが変更されるので持ち込みが必要)
  • 譲渡証明書(相続人で登録せずに、そのまま売却する場合は必要・相続人の実印を押印)

軽自動車の相続

通常の移転登録と同じ手順です。

  • 車検証
  • ナンバープレート(軽自動車検査協会の管轄が変わる場合は、ナンバープレートが変更されるので持ち込みが必要)
  • 申請依頼書(代理人が申請する場合必要)
  • 新使用者の住民票又は印鑑証明書

そのまま廃車する場合

別のページで解説しています。

所有者死亡の廃車手続き

(2023年6月29日公開、作成:三浦敏和)

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