車の維持には様々な費用がかかりますが、その中でも毎年必ず支払う必要があるのが「自動車税(種別割)」です。この自動車税、もし滞納してしまうと、最悪の場合、愛車が差し押さえられ、自由に処分できなくなる可能性があることをご存知でしょうか?
今回は、自動車税の納付期限から、滞納するとどうなるのか、そして最終的にどのような差し押さえという厳しい措置が取られるのかを詳しく解説していきます。
自動車税(種別割)とは
自動車税(種別割)は、自動車の所有者に課せられる地方税です。その税額は、自動車の排気量や用途などによって定められています。この税金は、道路の整備や維持管理といった公共サービスに使われています。
自動車を所有している限り、毎年納付の義務が発生し、その納付状況は、車検や廃車手続きなど、車の様々な手続きに影響を与える重要な要素となります。
※普通車は都道府県税、軽自動車(軽自動車税)は市町村税です。
自動車税の納付期限はいつ?
自動車税の納付期限は、原則として毎年5月末日です。
ただし、自治体によっては条例で異なる期日を定めている場合もありますので、お手元に届いた納税通知書を必ず確認するようにしてください。通常、4月下旬から5月上旬にかけて納税通知書が郵送されます。
納付期限までに納付しないとどうなる?

もし納付期限までに自動車税を納付しなかった場合、以下のような段階を経て、最終的に様々な不利益が生じることになります。
- 督促状の送付 納付期限を過ぎると、通常1ヶ月程度で自治体から督促状が送られてきます。この督促状には、改めて納付すべき税額と納付期限が記載されています。
(地方税法 第173条で、納期限後20日以内に督促状を発行する義務が課せられています。) - 延滞金の発生 督促状に記載された納付期限を過ぎても納付しない場合、延滞金が発生します。延滞金は、納付が遅れた日数に応じて加算されるため、放置すればするほど金額が大きくなります。
延滞金の金額と計算方法(京都府の例)
京都府の自動車税種別割の延滞金は、以下の利率で計算されます。(令和6年度の特例基準割合に基づく)
- 納期限の翌日から1ヶ月を経過する日まで:年利2.4%
- 納期限の翌日から1ヶ月を経過した日以後:年利8.7%
計算例(京都府の場合):
例えば、5万円の自動車税を3ヶ月滞納した場合:
最初の1ヶ月(30日): 50,000円×30日×2.4%÷365日=98円(小数点以下切り捨て)
2ヶ月目・3ヶ月目(62日):50,000円×62日×8.7%÷365日=738円(小数点以下切り捨て)
合計延滞金:約836円
※ただし、計算の結果、延滞金の合計額が1,000円未満となる場合は、延滞金は徴収されません。 また、1,000円を超える場合は、100円未満の端数が切り捨てられます。
※督促手数料(自治体によって変わりますが通常100円~200円程度)が加算されます。
※上記はあくまで一例です。実際の延滞金額は、滞納期間や税額によって異なります。最新の情報は京都府のウェブサイトをご確認ください。(京都地方税機構)
それでも納付しないとどうなる?~差し押さえという最終手段~
督促状が送られても、延滞金が発生しても、なお自動車税を納付しない場合、自治体は滞納処分として、あなたの財産を差し押さえるという強硬な措置に出ることがあります。
地方税法 第373条(固定資産税に係る滞納処分): 市町村長は、納税者が納期限までに自動車税を完納しないときは、その者の財産を差し押さえなければならない。
この「財産」には、自動車そのものも含まれます。
自動車が差し押さえられるとどうなるのか?
- 自由な使用・処分が制限される: 差し押さえられた自動車は、所有者であっても自由に売却したり、譲渡したり、ましてや廃車にしたりすることができなくなります。
- 競売にかけられる可能性: 最終的には、差し押さえられた自動車が競売にかけられ、その売却代金が滞納された自動車税に充当されることになります。
廃車にしたくてもできない!
自動車税を滞納し、あなたの愛車が差し押さえられてしまった場合、「もう乗らないから廃車にしたい」と思っても、差し押さえを解除しない限り、廃車手続きを進めることは非常に困難になります。
廃車手続きには、通常、車両の所有者の意思確認や書類が必要となりますが、差し押さえられている状態では、自治体の許可なしにこれらの手続きを行うことができません。
まとめ
自動車税の滞納は、延滞金だけでなく、最終的には愛車が差し押さえられ、あなたの財産が失われるという深刻な事態を招きます。また、差し押さえられた状態では、不要になった車をスムーズに廃車にすることもできなくなってしまいます。
納付期限を必ず守り、自動車税をきちんと納めることが、平穏なカーライフを送る上で最も重要です。もし、納付が難しい状況にある場合は、放置せずに早めに自治体の税務担当窓口に相談するようにしましょう。
株式会社旭商会では、不要になったお車の買取を行っております。自動車税の滞納状況によっては、買取や廃車の手続きが困難になる場合もございますので、まずは現状についてお気軽にご相談ください。
(2025年5月21日公開、2025年5月22日一部修正、作成:三浦敏和)
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