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ジェトロニック

  
概要
ジェトロニックはガソリンエンジン用の燃料噴射装置の名称。 各世代毎に違う頭文字が付いている。 初期は機械式が多く採用されたが、 排ガス規制に対応できず電子制御式に発展した。
機械式
---Kジェトロニック---
ディーゼルエンジン用の燃料噴射装置の流用では機構構造が複雑で、重量や価格の面でも一般的な量産車には向かないため、コスト低減のために開発されたのが Kジェトロニックである。フラップ式のエアフローメータが噴射量を制御するプランジャーに機械的に直結している。燃圧は、フューエルポンプで圧送された燃料を レギュレーターで制御するのみで、カムとプランジャーによる加圧は行わない。また、燃圧も上記ディーゼル流用タイプに比べ、低い(おおむね5bar程度と、後年の 電子制御式燃料噴射に比べればやや高いが)ことが特徴で、全気筒に対し連続的に燃料噴射を行なう。欧州の自動車メーカーが多く採用した。後に三元触媒装着車 に対応するため、酸素濃度を測定するO2センサーを使用して噴射量の補正を行うKA・KEジェトロも開発されたがその後の排出ガス規制には適応できず、電子制御式 に取って代わられた。
電子制御式
---Dジェトロニック---
吸入された空気量を直接計測するシステムではなく、圧力センサーで計測したスロットルボディ付近の吸入空気圧を基本データとし、吸気温センサーで計測した 吸入空気温度とスロットル開度センサーからのスロットルバルブ開度の情報を補足データとして、吸入された空気量を予測する。エンジン温度、エンジン回転数 と並んで、吸入エア量をインテークマニホールドに設置された負圧センサで測定したインテークマニホールド圧を元に計算が行われ、インジェクタ内のシステム圧 を一定に保つ電動フューエルポンプと組み合わせた。コストが抑えられるため日本では気筒数の少ない軽自動車や小型自動車用のインジェクションシステムとして 使用されている。
---Lジェトロニック---
吸入された空気量をエアクリーナーとスロットルボディの間に装着したエアフローセンサーで直接計測することで、吸入空気量を基本データとして燃料噴射量を決定 する。エアフローセンサーは、初期タイプではフラップ式のものが使われていたが、これだと吸気管内での抵抗になるため、ホットワイヤー式やカルマン渦式の エアフローセンサーが採用されるようになった。吸入空気の脈動による計測誤差が少ないので、気筒数の多いエンジンに採用されることが多い。また、吸入空気を 過給するターボチャージャーやスーパーチャージャーを装着させたエンジンにも向いている。三元触媒が排出ガス浄化に用いられるようになり、O2センサーを用いた フィードバック制御が必要になった時期から急速に発達した。
エアフローセンサー(エアフロメーター)
---フラップ式---
メジャリングプレート式とも呼ばれ、揺動軸で支持された板状の部材(フラップ)がバネの力を受けて吸気管を塞ぐように配置された構造である。通過する空気の 動圧によって押し開かれ、空気の量が多いほど大きく開くことを利用して、フラップの角度をポテンショメーターで検出して空気の量を計測する。多くの場合、 フラップは揺動軸付近で直角に屈折した板状で、平面部の一方が吸気管を塞ぐように配置され、もう一方はダンパー室と呼ばれる空洞に収まるようになっている。 吸入空気の速度が速い場合でも、ダンパー室がフラップの脈動を押さえることで、安定した空気量計測を可能としている。
---ホットワイヤー式---
熱線式とも呼ばれ、吸気管に白金製の細い熱線を配置した構造を持つ。電圧を加えて加熱した白金熱線を空気が通過すると、熱を奪って抵抗が変化することを利用 して、熱線を通る電流量を検出して通過する空気の量を計測する。流速が速いほど多くの熱が奪われ、抵抗が低くなり電流量が増える。同時に、熱線の手前に温度 センサーが設けられており、吸入管内の空気温度を測定することでより正確な空気量測定を行う。フラップ式に比べて空気抵抗がほとんど無いが、白金熱線の抵抗は 汚損の影響を受けやすい欠点がある。熱線の前後には汚損防止用のスクリーンが設けられていることが多いが、ブローバイが過大に発生した場合や湿式エアクリー ナーにフィルターオイルを過剰に塗布した場合など、センサーが汚れて不具合を起こすことがある。
---カルマン渦式---
吸気管内にカルマン渦を発生させる渦発生柱が設けられ、超音波発信器と超音波センサーが組み込まれた構造である。柱を通過した空気にはカルマン渦が発生し、 流速が速いほどその数が増える。カルマン渦の発生した空気の流れに超音波を当てると渦の数に応じて超音波の波形が変化することを利用して、変化した超音波の 波形を検出してパルス変換することで吸入空気量を測定する。エアフロメーターの入口にはハニカム構造の整流板が設けられ、渦発生柱の流れを安定化させている。 熱線式に比べて計測に高度な技術が必要でコストが高いが、空気抵抗が少なく吸入空気量をより正確に計測できる。
トラブル事例